あけおめでSS投下 2013年01月01日(火)16:17 |
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新年明けましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 ってなわけで、結局去年は1本も作品を更新できなかった紅月ですが、実は年末ネタで、大晦日更新できたらいいなと、あがいておりました。無理だったけど^^; でもまぁせっかく書いたので、年は明けちゃいましたけど、投下しときます。 きちんとHTMLファイルに整形してる時間がなかったので、あとでちゃんと小説置き場に移動しますが、取り急ぎここに折りたたんで入れておきます。 あ、ペットシリーズのSSです。ダーッと書いたので短いです。 家族が背後をうろつく中ではここまでが限界でした。くそう。 3分後こそ書きたかったのにっ(ぼそ) 以下のボタンは拍手コメへの激私信↓ 暮れにメッセージ下さったちまきさん、ありがとう! 中X鴻完結おめでとうございますー。感想コメント残せなくってごめんなさい>< でもってオリジナルサイトの方のアドレス、もう一回教えてくださいっ! PCのハードブッ飛んだ時にお気に入りも消えたので ![]() 今年はコメント書きに行きます! SSはこっち↓ 夢の狭間――師走―― 「よっしゃ、カンペキ!」 曇りなく磨き上げられたシンクを前にして、由貴也は満足そうに伸びをした。 煌びやかだったクリスマスのイルミネーションが、おせち料理の予約の看板に切り替わると、街を歩く人々の足取りもどことなく忙しないものに感じられ、年の瀬という言葉が頭の中をよぎるようになる。 掃除機や住宅用洗剤のCMが目に付き始め、普段は気にも止めないような部屋の隅の綿埃に妙な存在感を感じるのも、この季節ならではの現象だろう。 「大掃除って、いいなぁ」 次は風呂掃除だと呟きながらバスルームへと向かう。 どこの家庭でも当たり前であろう年度末のこの行事に携わっている自分が楽しい。 「『犬』になってからの方が人間らしい暮らしっぷりってのが笑えるけど……」 左手を宙にかざし、薬指に視線を送る。 すっかり馴染んだはずのリングの存在が、ふとした瞬間、どうしようもなく面映い。 「なんか、ずっと夢ん中に居るのかもって思うよな。ご主人が聞いたら怒るだろうけど」 あまりに変わってしまった境遇に、実のところ、由貴也の心は未だ追いついていない。 幸か不幸か生まれてこの方、クリスマスやカウントダウンを一人で過ごした記憶はないが、こんな風に、日常のあれやこれやをこなしながら過ごすというのは、もしかしたら初めてかもしれない。 そこに幸せの欠片を見つけたように、宙にかざした手をそっと握り、口元に寄せるとそのままリングに口付ける。いつの間にか癖のようになってしまったその行為は、由貴也の胸にとどまり続ける不安の種を、いつでもほんの少し、小さくしてくれた。 シンプルなデザインのプラチナのリングは、それ故に特定の相手の存在を雄弁に物語る。 体に残る赤い印を見せなくとも、左手を掲げるだけで事足りるというのは、思った以上の優越感を由貴也に与え、同時に、失うことへの恐怖も植え付けた。 気がつけばいつも、指で触れてその存在を確かめている。そんな自分に苦笑しながら、由貴也はバスルームのドアを全開にした。換気扇のスイッチを入れ、逸れてしまった気合を入れ直す。 「よぉっし、磨くぞーっ!」 キッチンもバスルームも、普段からこまめに掃除しているおかげで、落とすのに気合が必要なほどの汚れなど無いのだが、由貴也は嬉々としてスポンジを泡立てた。 指でこすればキュッと鳴るほど磨かれたバスタブに浸かり、ゆったりと身体を伸ばす主の姿を思い浮かべるだけで、胸の奥から沸き立つような思いがこみ上げてくる。 緩みきった口元を引き締めるのも忘れてせっせと腕を動かせば、頭の中では飼い主である三枝が、満面の笑みをたたえ手招きをしていた。 ―『お前も来いよ』― 情事のあとは特に一緒に入りたがる三枝の、甘い声が脳内にこだまする。 「ご主人、お風呂大好きだもんなぁ」 「お前と一緒の風呂は特にな」 「そうそう、前も後ろも洗いっこして泡の中からコンニチハ……って、はいぃ!?」 慌てて振り返る由貴也の目に、洗濯機に寄りかかり、逞しい長駆を折り曲げ笑いをこらえる三枝の姿が飛び込んできた。 「ちょッ! いいいいつお帰りにッ!?」 「や……今、だけど……っく、お前、朝っぱらからテンション高ぇ……」 「は? え?」 カウントダウンに先駆け、時限式のウィルスボムの類が仕掛けられる可能性があるからと、クリスマスの数日前からずっと、アクセス数の増える深夜帯に勤務時間をずらして目を光らせている三枝であったが、どうやら作業は順調なのか、いつになく機嫌がいい。 「もう終わるんだろ? 流したらそのまま湯を張ってくれ。飯より先に、風呂がいい」 「了解っす。あ、着替え……」 「いい、いい、自分で出すから。じゃ、頼んだぞ」 「ういっす!」 自分の何が三枝の笑いのツボにハマってしまったのか。 由貴也は今ひとつ理解できないまま掃除の仕上げに戻り、鏡に映った自分の姿でようやくその意味を知った。 「お前のせいかよ! このバカ息子っ!!」 しゃがんで作業をしていた時にずり上がっていたのだろう。 いつもなら股間を隠す丈のシャツの裾が、盛り上がっている愚息のせいで、立ち上がってもそのままになっていた。 「そりゃ笑うわ……」 ガクリと肩を落とした由貴也は、一気に力の抜けた身体を叱咤し、バスタブの泡を流し湯を張った。 ◆◆◆ 「朝っぱらから風呂場で何考えてんだか、あの馬鹿は……」 徹夜明けですっかりくたびれたスーツをハンガーに掛けた三枝は、ネクタイを引き抜きワイシャツのボタンを外しながら、未だに喉を震わせ、笑いを噛み殺していた。 「一緒の風呂が大好きなのは、お前の方だろうが」 アンダーシャツにボクサーパンツ。下着姿でベッドに腰を下ろした三枝は、脱いだ靴下を揃えてゴムの部分でまとめて床に放ると、そのまま後ろに倒れこんだ。 「ふう……」 目を閉じ大きく息を吐くと、ずしりと身体が重くなったように感じる。 「結構疲れてんなぁ……」 年末の深夜勤務など毎年の事で、睡眠のリズムさえ整えてしまえばどうということはない。セキュリティのチェックといってもすでに準備は整っている。あとは今夜のカウントダウン前後、リアルタイムで仕掛けてくる愚か者がいるかどうかを見張るだけ。 由貴也には仕事と伝えていたが、実際は本業とは全くの別件で、三枝は煩わされていた。 「電話にメール、挙句に動画ファイル……マジでうぜぇ」 由貴也が「SNOW」という名で店に出ていた頃の常連客達なのだろう。恒例行事だというクリスマスのパーティへの出席を蹴って以来、何かと絡んでくるようになった。 ―『彼が一人の男で満足できるはずがないだろう』― ―『もうそろそろ、“我々”に返してもらえないかね』― ―『君のような若造に彼の本当の良さが理解できるとは思えないね』― 「これ以上絡んでくるなら、本気で対抗させてもらうからな……」 すでにあの店のオーナーである高藤には状況を報告済みだ。由貴也自身にも伯父からの忠告という形で、以前の客が妙な動きをしていると伝えてもらっている。 「裏の世界に通じてるのが、自分達だけだと思うなよ……ってな」 不貞腐れた子供のようだった三枝の表情が、一瞬、獲物を狙う猛禽類の鋭さを宿す。 不敵に歪んだ唇が、さらなる呪詛を告げようとしたが、それはノックの音に遮られた。 「ご主人、起きてます? お風呂できましたけど?」 平静を装いながらも、どこか上ずった感のある声がドアの向こうから届く。 「ご主人?」 返事がないことで寝てしまったと思ったのか、そっと開けられたドアから由貴也が中を覗き込んできた。 「ああ、今行く」 寝そべったまま片手を上げて答えれば、明らかにホッとした様子で大きくドアが開けられた。脱ぎ捨てられたままだった三枝のワイシャツや靴下を拾いながら、ベッドのそばまで歩み寄り、三枝を見上げるように膝をつく。 「ゆっくり浸かって、身体ほぐしてください。その間にメシの支度しときます」 疲れた様子の三枝を気遣ったのか、言葉には労いの感情がこもっていたが、その表情には何かを諦めたような笑みが浮かんでいた。 「……却下」 由貴也のそんな心の葛藤を、三枝が気付かぬわけがない。 のそりと起き上がり、由貴也の頭頂部を見下ろしながら否と告げる。 「…………お背中流させていただきます?」 眉間に寄ったシワと低くなった声に、三枝の機嫌が下降したと気付いた由貴也がすかさず前言を翻すと、三枝の口元に、してやったりの笑みが浮かんだ。 「前も後ろも洗いっこして……だろ?」 風呂場での発言を蒸し返され、由貴也の肩がぴくりと揺れた。 首筋から耳へと、徐々に赤味が増してゆく。 相変わらずの判り易さに、三枝の眉間のシワも消えてゆく。 「………………ヨロシクオネガイシマス……」 シャツの裾を引き下げながらぼそぼそと答える由貴也の髪に、三枝の長い指が絡む。 くしゃりと後ろに引かれるままに顔を上げると、露わになった額にキスを落とされた。 チュッと音を立てて離れた唇の両端が、それはそれは楽しそうに持ち上がるのが見えた。 「ほら、行くぞ」 呆然としている由貴也の頭をポンと叩くと、三枝は部屋を出て行った。 主の去ったベッドルームに、由貴也の情けない呟きがぽろりとこぼれて落ちた。 「デコちゅーって、ご主人……真っ裸で歩き回るより小っ恥ずかしいんですが……」 我に返った由貴也がバスルームで、今度は息子のデコにチューされるまであと3分―― |
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あとがきのようなもの 2011年05月21日(土)15:01 |
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えーっと……うん。こういう奴らです(苦笑) 作品中に書く余地がなかったんですが、三枝の車は、ランドローバーです。 犬とのお出かけ用に、それまで乗ってたスポーツタイプの国産車から買い換えましたよ、この男。 ちなみにお値段は新車だと700万弱。中古でも500万以上するようです。 色はシルバー系。 マンションの改装費用とか、儲かってんなぁ、IT関連。 住んでるマンションも分譲です。 下の階のオフィスは賃貸ですが。 あまり自分にお金を使う人ではないので、余ってたようです>三枝 今回のお話の中では明かし切れなかった彼らの特技とか過去話とか、設定だけはたくさんあるので、また機会があったら彼らの話を書いてみたいと思います。 彼らに聞いてみたい事があったら、拍手からどうぞー(笑) |
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第3話ですー。 2011年05月04日(水)21:27 |
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今度はリンクミスとか無いはず! 昼間にお越しの方で「変わってないよー」という方はブラウザ更新してみてくださいませー。 あと2話! 『キカイテンシ』以上のハイペース書き下ろしだ(笑) 煙草とコーヒーの消費がすんごいけど、まぁ仕方ない(←駄目な大人) 当初の予定よりちょびっと長くなってますが、そこはいつもの紅月くおりてぃ。 現代物って世界観の設定解説が省ける分だけ早く書けるような気がします。 服装とか食べ物とか風景描写とか。 季節イベント(クリスマスとかバレンタイン)も屁理屈捏ねずにそのまんまでいいですしねー。 その代わり、うっかりすると台詞ばっかで地の文が思い浮かばなくて、漫画のネームやアニメシナリオのような原稿ができあがってしまうんですけどね^^; や、部分的にはそういう箇所も掛け合い漫才っぽくて好きなので入れますけども……。 とにかく楽しんで書いております。 このままの勢いでラストまで突っ走りたいと思いますので、よろしくお付き合いくださいませー。 添付絵は昨日の下塗リ→肌色&髪色塗り終わり。背景透過のPNG変換テスト |
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企画用 2011年05月03日(火)16:36 |
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間に合うかなー? 出したいなぁ〜。 昼間は子供たちが交代でPCで遊んでいたので、某所の企画用の立ち絵を描いてました紅月です。 さっきようやくPC空いたので、とりあえず取り込んで線画と基本色の塗り分けまでしてきました。 前髪上げた由貴也っす。 料理のときは細めのカチューシャでデコ出しとか良いなぁと思いまして。 小説は晩御飯のあとで頑張りマウス。ぽぽぽぽ〜ん。 |
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鷹斗&由貴也 2011年04月03日(日)20:26 |
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現代物で書きたい話の主人公's 鷹斗のプロフィールは以前にも日記でちらりと書いたので、今回はわんこの方を。 (TOUYAさんのサイトの企画に応募して描いていただいちゃいましたv) ![]() 高藤由貴也(たかとう・ゆきや)(25) セレブ御用達の高級ペットショップ(いわゆるひとつの男娼館)所属のトレーナー(調教師)。 元は売れっ子ペットだったが、二十歳を過ぎて遅い成長期を迎え一気に180オーバーの長身になってしまい、ネコとしての需要が激減したためタチに転向。 23で現役引退、調教担当へ。 「でかい犬が飼いたい」という鷹斗の条件にぴったりだったため彼の元へ赴くこととなったが…… <企画提出時のキャラメイク資料> 肌の色:papayawhip #ffefd5 耳の形:耳なし(髪で隠れている) 眼の形:普通(タレ目) 眼の色:ココア色cocoa #6e4a55 髪型:前髪長め(耳ぐらいまで)のセンター分け(目は隠れません)・毛先外はね 髪の色:ブロンドblond #f2d58a 外見年齢:20〜25歳 体格・身長:男性:細マッチョ(身長高め:175〜190cm) 性格・表情:性格:温厚で友好的・ご主人様大好き。 表情:喜怒哀楽が明確・基本はへらりとした笑顔。 キャライメージはゴールデンレトリバー 服装:襟ぐり緩め(鎖骨がちらりな感じ)のコットンセーターや薄手の長袖Tシャツ。 イメージカラー:ゴールデンレトリバー色 ちなみに紅月作のキャララフは↓ ![]() 左が鷹斗。右が由貴也。 基本は鷹斗X由貴也ですが、由貴也の経歴がああなのでリバもあるかもしれません。 描いていただいた由貴也があまりにぷりちーだったので、現在調子こいてプロローグっぽい短編小説執筆中(笑) 書き上がったら現代物用のNOVELページを作って掲載します。 短編〜中編くらいの読みきり作品でシリーズ化したい。 鷹斗に関する過去記事はこちら(別窓or別タブ出ます) |
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